少し前に日本でもちょっとした話題になったフランス/オクシデンテのミュージックシーン。そのオクシデンテのジャズビッグバンド"L'Occidentale De Fanfare"にも参加していた、ブルターニュのバグパイプ=コルヌミューズ奏者Erwan Keravec, とバリトンサックス奏者のRonan Le Gourierec, によるジャズロック/エスノフリージャズバンド、ニウ・バルドフォンの2ndアルバムが届きました。
ブルターニュの言葉でバグパイプを意味する"Biniou"の"niou"に、オーボエ属のダブルリード楽器で"ブルターニュのチャルメラ"の異名をとる"Bombard"の"bard"、そして"Saxophone"から"ophone"をとって名付けられたとおり、バグパイプ/ボンバルド/バリトンサックス/トランペット/ドラムのクインテットで、バグパイプのドローンに、メロディを奏でるハイトーンのボンバルドをけたたましく響かせ、変拍子を取り入れた即興性の強いサウンドを聴かせます。前作ではアイラーの楽曲を取り上げたりと、かなりフリージャズ寄りの演奏を聴かせていた彼らですが、本作では個々の楽器の特性を生かしたアレンジで楽曲の構成力も格段に上昇。決して曲芸披露に終わらない個々人の演奏能力の高さもあり、じっくり聴かせる作品に仕上がりました。ジャズロックやフリージャズのファンはむろん、東欧系のブラスバンド音楽のファンにも是非聴いていただきたい快盤です。オススメ。(直輸入盤/帯付き解説なし)